授業紹介
玄米堂:SDGs玄米食品~お米の新しい食べ方の提案~
『起業イノベーション論』では、食品産業・農業において起業・開業をしている方や革新的な農業・事業を展開されている方をお招きして、講義を行っていただいております。
今回は玄米食品の開発を行っている、『玄米堂』の代表 小野 正 様にお越しいただき講義をしていただきました。
『玄米堂』では加工用の“玄米粉”やその玄米粉を使用した食品、パンや麺、カレールー、ホットケーキミックスなどを、胎内市にある新潟製粉株式会社さんなど、様々な企業と連携をしながら商品開発を行っています。
事業を立ち上げることになった経緯や事業計画のプロセスなど、実際にどのようなことを考えながら行ったのか、実例をまじえながら分かりやすくお話いただきました。
『玄米堂』の特徴は製造・開発を自社ではなくパートナー企業に委託をして様々な商品開発をしている点です。自社で工場を持っていないため、商品開発をする際のフットワークが軽いという点が大きいとお話されていました。
ビジネスプラン構築のお話では、実際に3C分析(※1)や4P分析(※2)を使ってどのように自社や製品の方向性を決めたりしたのか、STP分析(※3)によって自社や製品の立ち位置を明確化し、戦略を立てたのかなど、本学の授業でも学ぶ経営学やマーケティングの手法が実際の新規事業の現場でどのように活かされたのかが良く分かり、食・農のビジネスに興味のある学生達にとって、とても大切なことを学ぶ機会となりました。
以前、米粉が流行った時期がありましたが、一過性のものになってしまった背景から、小麦粉の代用品としてではなく、玄米を選んで食べてもらうものとして価値を高めたいとおっしゃっていました。また、健康に良い=あまり美味しくない というイメージを自社製品を通して払拭したいと、製品にかける熱い想いを伝えていただきました。
また、玄米堂さんで使っている玄米は古米とのこと。市場に流通できないものを活用し、付加価値を付けることで持続可能な製品づくりにも取り組んでいきたいとのことでした。
学生達からも、「生産工程でどのような付加価値を付けられるか?」や「今後の製品の展開は?」など質問があり、丁寧にお答えいただきました。
事業の立ち上げで重要な点など、事例をふまえた貴重なお話を聴くことで今後の学びにつながる機会となりました。『玄米堂』小野 正 様 ありがとうございました。
≪玄米堂≫の詳細はこちら
https://www.genmai-do.com/
※1 3Cとは
自社(Company)、競合(Competitor)、顧客(Customer)の頭文字からきており、この3つの視点から市場環境を把握し、分析することです。
※2 4P分析
マーケティング施策を企画・立案する際に用いられる分析法です。自社製品・サービスを下記の4つの視点から分析し、その強みやアピールポイントをマーケティング企画に活かします。
・Product(自社の製品・サービス):どのような価値を市場に提供するのか
・Price(価格):いくらで提供するのか
・Place(販売場所・提供方法):どのような形で提供するのか
・Promotion(販促活動):どのような販促を行うのか
※3 STP分析
自社の製品・サービスが獲得しているユーザーの特性やサービスの強み・課題を把握し、他社との位置関係から、市場に参入する際の取るべき戦略・方向性や成功の可能性を見定めるために使う手法です。Segmentation(セグメンテーション|市場を細分化する)、Targeting(ターゲティング|狙うべき市場を決める)、Positioning(ポジショニング|自社の立ち位置を見極める)の3つの頭文字からSTP分析と呼ばれています。