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【授業紹介】微生物と塩がイカの塩辛をおいしくする??~食品生産科学基礎実験・実習~

本学では2年次からコースごとに分かれ、専門知識を身につけます。今回は2年生フードコース『食品生産科学基礎実験・実習』の様子をご紹介!
『食品生産科学基礎実験・実習』では様々な食品を実際に調理・加工・保存を行い、実習を通して、食品原料の特性や製造の原理、製造方法、取扱いについて学びます。
4/26の実習では熟成・発酵と微生物の制御を理解する題材として、「イカの塩辛」を製造しました。

実はイカの塩辛も(広義には)発酵食品です!基本的にはイカの身と肝臓、塩を混ぜて製造されます。肝臓がもっているタンパク質分解酵素がイカの身を柔らかくし、塩が腐敗・変敗に関与する微生物の活動を抑えてくれるため常温での保存が可能になる食品です。
事前に水産発酵食品の成り立ちや、塩による微生物の制御について学び、実習スタート!

■まずは解凍したスルメイカを捌きます
胸部と足に分け、内臓を取り除き、塩辛用に身(外套膜といいます)を切っていきます。
【ポイント】捌く前の重量と、捌いた後の身の重量を確認しておきます。これは食品製造上で必要な「歩留まり※」という観点を意識するためです。
※食品業界では一般的に、可食部位(食べられる部位)がどのくらいあるのかを歩留まりといいます。






■内臓を取り分けて肝臓の中身を計量します
【ポイント】事前に計画した肝臓の投入量に対して、実際に確保できた肝臓量が少なかった場合は、臨機応変に実験条件を修正する必要があります。(他の班から余った肝臓を提供してもらい、当初計画通りの肝臓増し増しで仕込んだ班もありました!)





■材料を保存瓶に入れて、仕込み完了です。
【ポイント】目標の塩分になるように塩を計量します。今回は常温保存にチャレンジするので、塩分は12.5%以上(昔ながらの”塩辛い”言葉通りの塩辛)になるように仕込みました。



作る塩辛は3種類
①    イカ身に塩と肝臓入れたもの
②    イカ身に塩と「タンパク質分解酵素を含む食品」を入れたもの
③    イカ身と塩のみ(①②と比較をする為)

イカ肝臓の代替とする「タンパク質分解酵素を含む食品」は各班で考えたものを準備して入れました。
リンゴ・米麴・たまねぎ・パイナップル・キムチ・納豆・キュウリ・ショウガと様々で、どのような塩辛になるのか(美味しく食べられるのか?!)楽しみです。



状態の確認と食味評価は1ヵ月後の実習で行います!その様子も紹介をしていきますのでお楽しみに!


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