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【授業紹介】食と農をつなぐ仕事を知る〈食産業ビジネス演習〉

本学では2年次より3つのコースに分かれ、専門知識・技術を修得します。
3年次ビジネスコース科目『食産業ビジネス演習Ⅰ』ではゲスト講師による講話やフィールドワークを通して、将来の食産業の展望や課題の解決策に対する考察を高めるために、地域や企業と連携したケーススタディに取り組みます。

今年度の大テーマは【農産物直売所をどう活性化していくか】
新潟県新発田市に本社がある株式会社せいだ様のご協力を得て、同社が運営する農産物直売所「とんとん市場」の活性化策を考えます!
最終的な目標としては
①地域と連携したイベント
②直売所が実施すべき食農教育
③農副連携

の3つのテーマから調査、分析を行い、それらを基に活性化策を提案します。

5/9(木)の授業では実際に、株式会社せいだ様が運営をしている直売所「とんとん市場」見学し、活性化策の為の情報収集を行いました。
株式会社せいだ様は直売所や農業資材の専門店の運営、業務用加工原料としてのお米の集荷・販売、また、自社でもイチゴやお米の栽培なども行っています。

■まずは施設を見学!
株式会社せいだ様が運営をしている農業法人(株)新発田ファームでは現在、米とイチゴを栽培しています。直売所の裏にあるハウスは約400坪の広さで、新潟県内では有数の規模とのこと!鉄骨のハウスなので雪国新潟でも安心してイチゴの栽培ができます。また、ハウスの温度・湿度管理はアプリを利用し、自動で調整ができるそうです。







ハウスの後は、直売所を見学しました。木を基調とした店内は天井が高く、野菜や果物だけではなく、お米や新潟県内の加工食品、お惣菜等も販売されています。学生達からは「商品の数が多くて驚きました」「店舗内が明るくて解放感がある!」などの声が聞かれました。






■食と農をつなぐ仕事
見学の後は、専務取締役 清田様より株式会社せいだ様の企業理念やビジネスモデル、現在の課題をお話しいただきました。


【株式会社せいだ様の「直売所」の特徴】
スーパーで売られている野菜・果物の販売価格(値段)は「相場」で決められるため農家さん(生産者)は自由に決めることができません。
一方、直売所では「委託販売方式」を行っています。
・直接納品をしてもらい、生産者さんに値段を決めてもらう
・売れたものだけの手数料を直売所が受け取る
・売れ残ったものは生産者さんに引き取ってもらう

委託販売方式により、商品の値段を生産者さんに決めてもらうことによって、適正価格での販売ができると共に、品質の向上を促すことができます。また、出荷をする生産者さんが加盟する「とんとん会」を組織し、品質のチェックやセミナーの開催、販売実績の表彰などを行い、安心・安全・高品質を保つ工夫を行っています。
また、パッケージの工夫や贈答用果物の取り扱い、ネット販売など、他の直売所との差別化をしています。

■直売所の課題
これまでも様々な取り組みを行ってきている中で、現在の課題としては
・地域の優れたものを売るだけの場所になっていないか?
・コロナ後のイベントとしてはどのようなものが行えるか?
・消費者と生産者との交流は需要があるのか?

といった点になるとのこと。
そこで、これらの課題と目指す姿をふまえて、学生達は下記の3つのテーマから具体策を提案していきます。
①    地域を巻き込んだイベントの実施
②    アフターコロナにおける食農教育
③    行政、市民を巻き込む農副連携の確立

講義の最後では、事前に学生から出た質問や、お話を聞いた上で出た質問に答えていただき、アイディアのヒントになる情報をたくさんいただきました。



今後の授業ではこれらのテーマに関わる講義や様々な事例を学びながら、具体案を作り上げます。どのようなアイディアが出てくるのか??楽しみです!
授業での取り組みはN-mag(大学ブログ)で紹介をしていきます!

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