N-mag

【授業紹介】『農産物直売所をどう活性化していくか』最終報告会を実施!<食産業ビジネス演習>

本学では2年次より3つのコースに分かれ、専門知識・技術を修得します。
3年次ビジネスコース科目『食産業ビジネス演習Ⅰ』では、地域や企業と連携したケーススタディを中心に据えた学びを実施しています。ゲスト講師による講話やフィールドワークを通して、将来の食産業の展望や課題の解決策に対する考察を高めることを目的としています。

今年度の大テーマは【農産物直売所をどう活性化していくか
新潟県新発田市に本社がある株式会社せいだ様のご協力を得て、同社が運営する農産物直売所「とんとん市場」の活性化策について提案しました。
せいだ様から、直売所に関連する以下の3つのテーマをいただきました。
①地域と連携したイベント
②直売所が実施すべき食農教育
③農福連携
この3つのテーマにもとづいて、学生がグループワークを通じてから調査、分析を行い、約半年をかけて活性化策を提案しました。

7月22日(月)には最終報告会が行われ、ご協力いただいた、株式会社せいだ専務取締役 清田 達也様をはじめとし、ゲスト講師の皆さまを招いて、これまで練り上げてきた提案を披露しました。
6月中旬に実施した中間報告会でのフィードバックを踏まえ、追加のヒアリングや収支計算をし、さらにブラッシュアップした内容を発表しました。
学生たちがおこなった提案の概要は次の通りです。




①地域と連携したイベント

せいだ様自身、イチゴの生産・販売をおこなっている点、また、新潟県うまれのイチゴの品種「越後姫」の発祥の地が、「とんとん市場」がある新発田市である点を踏まえ、イチゴをテーマにイベントを考案しました。とんとん市場の店内に設置されたイベントスペースでは、県内のイチゴジャムを集めて、“イチゴジャムコンテスト”を実施、もっとも評価の高いイチゴをとんとんで販売するという提案をおこないました。
このテーマに取り組んだもう一つの班は、新潟県の特産品である枝豆をいかし、直売所の顧客を対象に、畑の一区画を貸し出し、「自分で枝豆を育てる」と体験ツアーを提案しました。




②直売所が実施すべき食農教育

子供たちの野菜の摂取量が低下している点に着目し、野菜を楽しく食べるきっかけづくりのためのイベントを提案した班は「カップサラダ&ドレッシング作り」の体験型イベントや、直売所に関するクイズ「とんとんクイズ」出題、一定金額以上の買い物をした場合に「トラクター乗車体験」などを提案しました。
体験型イベントや契約農家さんと触れ合う機会を設けることで、野菜への抵抗感をなくすことを狙いとした提案でした。
別の班からは、食と農の価値向上を目指し、親子で参加できる「種まき・収穫体験」や契約農家さんを巡る「バスツアー&ビアガーデン」などを提案しました。この班は、文科省によって公表されている欠食データをもとに小学生向けに「食生活チェックシート」の配布も提案。ご褒美として無添加お菓子や直売所で使用できるクーポン配布も内容に織り込み、チェックした後の意識・行動変革につながるよう工夫がされた提案でした。




③農福連携

障がいを抱え、就職に困難を抱える人々の雇用推進を図るとともに、農業現場での人手不足をマッチングさせる「農福連携」に対しても、学生らしい自由な発想による提案がおこなわれました。
具体的には、「輸出用オーガニック米の栽培での労働力確保」や、「営農指導会イベントを開催し、複数回参加者は雇用へ繋げ、契約農家さんへ派遣する」といったもの。
新発田市がオーガニック農業に力を入れている点を調べ、手間はかかるが、付加価値の高いオーガニック米づくりに障害をもつ人にも携わってもらい、オーガニック市場が急速に拡大している海外に輸出しようという提案をおこないました。
もうひとつの班は、障がいをもつ人が携わって生産された農産物は、『チャレンジドブランド』と名付け、高付加価値商品としての販売を狙うアイデアを披露しました。障がいをマイナスにとらえるのではなく自分自身や社会のためにポジティブに活かすというブランドの確立を目標とした提案内容でした。



各グループの提案に対し、清田 達也様からは「地域活性化につなげられるものもあった。取り入れられそうなものは取り入れていきたい」と講評をいただきました。また、農福連携の講義を担当していただいた社会福祉法人とよさか福祉会 豊栄福祉交流センター クローバー 歩みの家管理者・支援課長の小林誉尚様からは「“チャレンジ”、“オーガニック”という動きは、農福連携のなかで一部には取り組まれているが、学生からの提案によって、あらためてこうした動きが加速されるだろうと感じた」とのコメントをいただきました。また、新潟県農林水産部経営普及課普及情報係主査 野﨑理様からは「発想の柔軟さ、可能性にあふれた学生の提案・発表は新鮮で可能性にあふれていた」とおっしゃっていただきました。

ご協力いただきました、
株式会社せいだ 専務取締役 清田 達也様、
株式会社せいだ とんとん市場統括マネージャー 中川 辰史 様、
新潟県農林水産部 経営普及課 普及情報係 主査 野﨑 理 様、
社会福祉法人とよさか福祉会 豊栄福祉交流センター クローバー 歩みの家 管理者 支援課長 小林 誉尚 様
お忙しい中ありがとうございました!


関連記事