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【授業紹介】インターンシップⅠ(新潟市)を実施しました。

1年生のキャリア科目「インターンシップⅠ」は、農場や食品製造・加工工場、卸売市場、食品販売店等、多岐に渡る食料産業の代表的な現場を見学・体験し、それぞれの目的や役割、現状と課題等を認識することで、自身の進むべき方向性を見出すことを目的として開講されています。

事前に実際に訪問する企業の事前調査を入念に行い、9月19日(木)に、新潟市の以下の企業の見学に行ってきました。

①    新潟中央卸売市場
②    今代司酒造
③    峰村醸造
④    ピアBandai
⑤    三菱ガス化学新潟工場


①    新潟中央卸売市場
私たちの生活に欠かせない生鮮食品等(青果・水産・花き)を全国・世界から迅速に集め、取引に応じて仕分けしている中央卸売市場。その機能や、1日の流れ、働く人々の役割について丁寧に説明していただきました。
学生からの「今までで一番高く売れたものは?」という質問に対して、意外なことに新潟ではお正月にテレビで見るようなご祝儀での高値の取引が行われていないことが判明。また、卸売業者の一つである新潟中央青果にこの春卒業した先輩が入社したこともあり、「どういった人材を求めているか」「やりがいを感じていることは?」といった就職に関する質問も活発に飛び交っていました。

市場内の見学では、異なる温度に保たれた倉庫を実際に体感するほか、昔ながらの取引方法である「せり売」でのハンドサイン、「手やり」の方法について教えていただきました。「同じ数字が続いたときにどうする?」という問いにあれこれ試行錯誤する学生たちでした。
新潟中央卸売市場





その後、2班に分かれて、本学のフードコースで学ぶことのできる、発酵・醸造分野の企業を訪問しました。
②    今代司酒造
今代司酒造は本学の研究チームが新潟県胎内市の「ししのくらの森」で採取した酵母を清酒用に育種改良した「ししのくらの森酵母」を使用した純米酒を販売してくださっています。
そんなご縁もあり、通常の見学では歴史が中心となっているなか、今回の見学では普段以上に日本酒造りの工程にスポットを当ててご案内いただきました。
イラストも交えながら日本酒造りの工程を丁寧にご説明いただいた後は実際の作業場を見学。酒税法の関係でそれぞれに容量の書かれているタンクや、日本で唯一の樽職人さんが作成した木樽など一つひとつをじっくりと見ていました。中でも興味を持っていたのは手掘りの看板や手作りの一斗瓶。本学の学生ならではの視点で写真を撮る学生が多くいました。
今代司酒造





③    峰村醸造
明治38年より続く味噌蔵。昔は冬から夏にかけて手作業で仕込むのが一般的だった味噌づくりが、現代ではどのように作られているのかを見学しました。
大きな樽の前で新潟での味噌づくりの歴史について伺った後は、実際の味噌づくりの見学へ。蒸された大豆や混ぜ合わされた「大豆・麹・塩」がベルトコンベアで運ばれていく様子、昔は手作業で行われていた樽への移し替えが今ではクレーンを使って1時間半で行われている様子を実際に目の当たりにしました。
現代では年中できるようになった味噌づくり。実際に樽を触りながらどのように温度管理が行われているのかも知ることができました。見学後は味噌のソフトクリームを食べたり、蔵一番のベテランである「さぶろうさん」が作った味噌を試食したりしながら、各々お土産を買って帰った学生たちでした。
峰村醸造





④    ピアBandai
昼食休憩も兼ねて見学したのがピアBandai。日本海側最大級の旬鮮市場とも言われ、米、酒、魚、肉、お土産品といった新潟の特産品やお寿司や海鮮丼、カフェなどのグルメなどが豊富に揃っている観光施設です。
到着した時には生憎の雨となりましたが、好きな飲食店を満喫する姿や、天気の合間を縫って買ったおにぎりなどを仲間同士食べる姿が見られました。
ピアBandai





⑤    三菱ガス化学新潟工場
三菱ガス化学新潟工場は、クリーンエネルギーである天然ガスを利用し、特色のある製品を生産している化学工場です。そこで生成されたMXナイロンは炭酸飲料の容器に使われ、製造物の一つである「ピロロキノリンキノン」は健康食品に用いられるなど、実は食料産業とも大きくかかわっています。また、今話題のカーボンニュートラルに積極的に取り組んでおり、再生可能エネルギーや資源循環など様々な視点で環境問題について研究する教員がいる本学とも共通する点があることから今回見学させていただくこととなりました。
工場についての紹介や、カーボンニュートラルへの取り組みについてお話を伺った後は、実際の見学へ。100万㎡もの面積となる構内をバスで回りました。
撮影禁止だったのでお見せできませんが、アンモニアなど様々な化学物質の大きなタンクが目の前に現れると興味深く見ていた学生たちです。
メタノールパイロットなどの施設も歩いて見学しましたが、バイオメタノールを生成するために使用する、下水処理施設で発生した消化ガスが貯められたバルーンに興味津々。「バルーンにどのくらいの量が入るのですか?」と質問したり、バルーンを触ると「思ったより硬い」「意外と柔らかい?」などと違った感想が飛び出たりしていました。
三菱ガス化学





今回ご協力いただきました企業様、大変ありがとうございました。
次は10月に胎内市、新発田市を回ります。


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