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【授業紹介】インターンシップⅠ(胎内市周辺)を実施しました。

1年生のキャリア科目「インターンシップⅠ」は、農場や食品製造・加工工場、卸売市場、食品販売店等、多岐に渡る食料産業の代表的な現場を見学・体験し、それぞれの目的や役割、現状と課題等を認識することで、自身の進むべき方向性を見出すことを目的として開講されています。

9月27日(土)、先日の新潟市での企業見学に引き続き、3班に分かれて胎内キャンパス周辺の村上市・新発田市にある以下の企業の見学に行ってきました。

1.冨士美園
2.片山食品
3.道の駅加治川



1.冨士美園

冨士美園株式会社は本学フードコースの卒業研究から生まれた『NAFU村上茶シリーズ』の監修を務めてくださっている企業です。北限の茶処と呼ばれる村上でお茶栽培が始まったのが約400年前の江戸時代と、歴史のあるお茶を栽培・製造されています。

今回の企業研究では、班ごとに順番に
・茶畑見学
・工場見学
・店舗見学

を行いました。

茶畑見学は茶畑の前で茶畑全体を見渡しながら説明をしていただき、その後茶畑に実際に降りて在来種、新品種のお茶の木を間近で見ました。在来種は1ヘクタール、新品種は2ヘクタールの栽培面積をたった2人で管理されているそうです。日々の管理は大変には感じないとおっしゃっていましたが、やはり茶摘みのシーズンになると大忙しとのことでした。
実際の見学を通じて、「茶葉を摘むときは手作業だと思っていたが、専用の機械を使用し、省力化されている」と驚いていた学生たちでした。

次に工場へ。工場では、一日約400キログラムと、たくさんの茶葉が製造されているとのこと。一階では荒茶、二階では紅茶などの発酵茶と、製造場所が分かれているそうです。冨士美園では抹茶は製造されていませんが、その理由は、蒸す、乾燥させるといった工程は他のお茶と共通ですが、そこから先の乾燥の工程が揉んで作る他のお茶とは異なるため、更なる設備が必要だからとのことでした。

店舗では、78歳の5代目にお茶栽培と町家について解説していただきました。他の産地と比べて甘いという村上茶の特徴や、お茶の成分や健康効果についても説明していただくと、どの学生もとても真剣な表情でした。
また、店舗内のカフェスペースも見学させていただきました。古い建物を改装し、土壁をそのまま残し、抜いた2階の床を1階の床に再利用するなど古き良きものを残したという、趣のある店舗。お客様にお茶を提供されるときに使用する茶器も見せていただきましたが、新潟県内で製造されたものを使用しているというこだわりがあるそうです。



2.片山食品

午後は新発田市にある片山食品へ。「にんにく漬け」を中心に漬物や総菜、珍味の製造を行う企業です。会社説明のあと、実際の工場を見学してきました。
はじめに、社是である「盆栽に作山椒の木」という言葉の説明をしていただきました。盆栽と同じように大きくはないけれど、山椒のように他とはピリッと違う食を創り続けてきたとのこと。このように「箸休め」や「香のもの」といった従来の漬物の食され方を超えた商品づくりに積極的に挑戦されています。また、食品メーカーの職種についても丁寧にご説明いただきました。
その後の工場見学の際、品質保証室に向かうと、この春に入社した卒業生が学生の前に登場!食品企業としての品質へのこだわりがお客様の信頼につながっている、だから品質保証の仕事が大事であるという説明がありました。「品質保証の社員は、製造の過程では手順や従業員の服装の監視役にもなるため、嫌われ役になることもある」という言葉が学生にとっては強く印象に残ったようです。





3.道の駅加治川

道の駅加治川は全国1,230箇所、新潟に42箇所ある道の駅の一つです。(令和7年6月13日現在)
道の駅が必ず果たさなければいけない3つの機能(休憩機能、情報発信機能、地域連携機能)、「加治川ピクニック」というコンセプトに込められた想いについて副駅長さんにお話いただきました。
「おもてなしNo.1の道の駅」「1か月に1人ファンを作る」を目標にされており、中には副駅長さんに会うために毎月必ず来てくれるお客様もいるそうです。そんなお話を聞いた後は実際に道の駅の見学へ向かいました。
直売所では、本学アグリコースの松本 辰也教授が開発した、『新碧』と『新美月』という梨が販売されていました。引率の職員から「本学の先生が開発した梨」と説明を受けると、興味津々の学生たちでしたが、1つ498円と大学生には少し高価な値段…身近だけと手の届かない梨を前に残念そうにしていました。午前に訪問した冨士美園監修で本学学生が卒業研究で開発した『MELISSA村上茶ハーブティー』も販売されており、道の駅のある新発田や近隣である胎内の名産品や、『いちじくソフト』(いちじくのシロップが練りこまれたソフトクリーム)など、地元の名物を満喫しながら過ごしました。





2回にわたりご協力いただきました企業様、大変ありがとうございました。

働く現場を実際に見て学ぶことで、食料産業への理解を深めると同時に、就職後のイメージを具体的に持つことのできる有意義な時間となりました。


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