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【第3回】市(いち)はビジネスの始まり 食料産業の担い手は女性

市(いち)は中世にスタ-ト 
もともと「贈り物とお礼」(贈与と互酬の関係)であった物々交換は、
14~15世紀ごろになって、利益を得ることを目的とする物々交換や
貨幣を対価とした販売・交易に変化します。
農村の生産力が上がって余剰産物や加工品が出てきたのです。
販売・交易の出会いの場は、河原、川の中州、海と陸の境「浜・湊」の市・市庭(市場)です。
それは、やがて、余剰の処理から、
特定・不特定の客の需要を目指した生産・販売へと移り、
市庭(市場)は、人、モノ、金、情報などの集積拠点になりました。

聖絵などに描かれた多くの女性たち 
このころの絵には、極めて多くの職人女性が描かれています。
歴史民俗学者の網野善彦さんの本にも、山海の産物や加工品、例えば、魚、心太(テングサ)、
米、酒、もち、麹、豆、豆腐、そうめんなどを売る女性が生きいきと商売をする姿で登場しています。
商売・ビジネスは、女性たちによって始まり、担われてきた歴史を持つのです。
これからの食料産業界においても女性の担う役割は重要です。

「買う」に応えて「売る」 
旧漢字では、「売る」を「賣る」と書きます。文字の誕生は経済の実態から見て、
「買う人がいて賣るが成立」としたのでしょう。
これから皆さんが学ぶ<マ-ケットイン>も同じ流れをくんでいます。
さて、ドイツ語でも、「買う」はKaufen、「売る」はVer・kaufenといって、
日本語の「買う」と「売る」との関係とよく似ています。

産直市、プチマルシェを経験してみよう 
NAFUでは、1年次「基礎ゼミⅠ」の授業において、
約290年続く胎内市の伝統ある「三・八市」(サン・パチ市)に出店し、
消費者と交流しつつ商業、交易の原点を学びます。
ゼミの仲間と小さな会社「プチマルシェ」を立ち上げ、食料産業で活躍する一歩を踏み出しましょう。

  • *次回は、「料理の決め手は旨味から 夢の食品開発を目指して」です。 (渡辺こうめい)

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