N-mag

【第4回】料理の決め手は旨味から 夢の食品開発を目指して

5つ目の味覚 
①甘味(sweet)、②塩味(salty・ hot)、③酸味(sour)、④苦味・渋み(bitter・sharp)を
「味覚」としていますが、いま注目されるのは、日本発の⑤旨味(U-ma-mi)で、
世界中のトップ・シェフも用い始めています。
コンブ、かつおぶし、干しシイタケなどを科学的に分析すると、
コンブはグルタミン酸、かつおぶしはイノシン酸、干しシイタケはグアニル酸に行き着きます。
NAFUの授業の中でも、人の舌は濃度をどう感じるか、
人と動物の味覚の違いなど、味覚を科学的に学び、
より多くの人が美味しいと感じる食品開発を目指します。

味つけは「さしすせそ」 
料理の決め手となる“味付け”では、味の浸透しにくいもの、
熱に強いものは、調理の初めの方に入れて、浸透しやすいもの、
熱に弱いもの(分解・変質しやすいもの)は、ゆっくり入れその味を引き出します。
昔から、調味料は「さしすせそ」(①さ・砂糖、②し・塩、➂す・酢、④せ・醤油(せうゆ)、⑤そ・味噌)
の順に味付けをしていくといわれますが、
これは日本人の古くからの経験と科学との一致点だったのです。

口中調味は日本人の得意 
“味覚”と和食の「三角食い」「稲妻食い」とは深い関係がありそうです。
みなさんも経験があると思いますが、辛すぎる、甘すぎる、濃すぎるときに
それを穏やかにするため、ご飯と副菜とを口中で混ぜて調整をします。
茶碗を手に持ち、お箸で副菜を取り寄せる和食ならではの利点です。

将来の新しい食品開発へ 
いままでは当たり前のように過ごしてきたことでも、
あらめて分析・研究すれば、夢のような食品や料理、食べ方が発見・開発されるかも知れません。
体験から科学へ、食品メ-カ-の人々は、夢を求めて、レストラン・料理店を回ります。
NAFUでも、実習やインターン、研究を通して、夢の食品開発を目指します。

  • *次回は、「世界を旅する日本の農産物・食品」です。  (渡辺こうめい)

関連記事