学長コラム
【特別版】新潟食料農業大学の開学に寄せて
いよいよ、「新潟食料農業大学」のスタ-トです。
意欲と好奇心に満ち溢れた若者たちが集い、この4月7日には新大学の第1回入学式が挙行されます。
いま、日本の「食」の市場は、年間80兆円、いずれは100兆円も目指せる巨大な経済セクターです。
消費者の期待に応えた「マ-ケット・イン」、農場と食卓を切れ目なくつなぐ「フ-ド・チェ-ン」、
くらしと地域に役立つ「実学」を学ぶのが最大の目標です。
建学の精神は、「自由」「多様」「創造」です。これらは、過去のしがらみにとらわれず
自己規律に基づく「自由」、他者の考えや行動を尊重する「多様」
好奇心に裏打ちされた「創造」を意味しています。
ここでは、習う・覚えるも大事ですが、積極的に質問し、提案する力を持った学生を育てていきます。
教員たちも、きっとそれに応え「面白いね、一緒に考えてみよう」と受けてくれることでしょう。
ここでの教育・研究を通じて、将来は、「食の総合大学」へ発展し、
地域における「知の拠点」としての役割を果たすことが期待されているのです。
メインキャンパスのある胎内市は、東に雄大な飯豊山脈を望み
山、森林、河川、海、田畑と、変化に富んで風光明媚な<花と緑の田園地域>です。
また、ビジネスを学ぶ新潟キャンパスは、大消費地にも近く
多くの食品産業が集積している好立地条件にあります。
恵まれたこの2キャンパスで、学生たちは生産、加工、輸送、販売、調理、サ-ビスを一連のものとして学び
消費と生産、都市と農村は別々ではない、対立するものでもないことを理解していきます。
300年近くも続く地域の市(三八市)にもグル-プで出店し、地域の人々からは歴史と暮らし、
文化・伝統などを勉強していきます。
消費者が求めるものを農場が生産し、都市が農村を支える<相互の理解と融合>を重んじる
教育・研究でありたいと考えています。
そして、施設も実習の場も理想的なものが整備されました。
学生たちの憩いの場「学生ラウンジ」の6階から日本海に沈む夕日を眺めるとき
日本という美しい国に住むことにみな感激を新たにすることでしょう。
「そもそも天下に道はない、人が歩いて道ができる」、
世界のフ-ド・チェ-ンをけん引するフロント・ランナ-の高等教育機関
「フ-ド・バレ-新潟」に向かって邁進します。