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【第81回】打ち損ない、変換ミス、誤植など

レポ-トを作成するときには、ワ-プロ機能を使うのが圧倒的で、手書き派は少数になりました。
気をつけなければならないことは、打ちまちがいや変換ミスが生じないよう念入りなチェックです。

 

キーボードの打ち損ない
ほんの小さな脱字でも全く異なる意味になることもあります。
<・・・で、きまる>は、<・・・できる>(ま抜け)になることがあり、
自分の場合も、<納得でき(る)内容>のつもりが、「る‐抜け」状態での打ち損ないの結果、
<納得できないよう>になってしまった経験があります。

 

ワープロ変換まちがい 

有名な変換まちがいの事例は、「オショクジケン」と打ち込むと、
「お食事券」 と「汚職事件」が出ることです。
<オショクジ・ケン>、<オショク・ジケン>、分けないと大騒動になります。

 

誤植-① 

ライバル国からよむ世界史(関眞興・日経)(ビジネス文庫)

2015年の第1刷「アメリカと中米・カリブ海諸国の対立」に、
「初の黒人共和国ハイチで行われた解放の<進学>」とあります。
「進学競争からの解放なのか?」などと誤解してはいけません。
それに続く本文中には、“解放の<神学>(聖職者が積極的に社会改革を目指そうとする運動…)”と
正しく丁寧な説明がありました。

 

誤植-② 

応仁の乱』 (呉座勇一・中公新書)
ベストセラ-にもなり、一世を風靡(ふうび)したこの本では、序の <はじめに>には
“東洋史家・内藤湖南の講演の「応仁の乱に就いて」(1921年)を引用して
「足利時代は全く天才のなかった時代であったから、応仁以後100年は争乱の収まる時期がなく…」
は正しい解釈だ”と述べています。

足利義満以降は、愚鈍(ぐどん)な将軍が続いた=<天才は(い)なかったのか>と感じ、
<天災のなかった>の誤植かと思いきや、「日本史年表」では1467年に先行する100年間にも、
地震、噴火、飢饉、疫病が頻発し天災はあった。天才&天災、真偽は不明です。

 

誤植読本(高橋輝次・ちくま文庫 2013年)ですが、これは“誤植・校正まちがい集”の紹介です。

 

●外山滋比古
「失敗は成功の基」➟<成功の墓>に、“全能全智と称せられる露国皇帝”(ロシア皇帝)➟
(全の崩し字が<無>と読み違え)、“無能無智”になっていた。「訂正号外事件」(明治32年5月)

 

●黒川博行(小説家)
「斉藤は鼻をならして」➟「鼻をたらして」
(後で自分の原稿を見直したら<たらして>だった。失礼!)などが挙げられています。

 

手書きの文章での間違い
こちらは、かなりの部分が誤字、当て字です。俳人芭蕉の文章にも、当て字、ひらがなの誤用が見られます。
(例:惜しむ≠「お」しむ➟「を」しむ)
あまり心配せず、大いに文章を書きましょう。
そして、相手に失礼なことになっていないかチェックだけはしっかりとやりましょう。


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