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【授業紹介】豆腐の製造を通して、食品添加物の役割を理解する〈食品生産科学基礎実験・実習〉

2年生フードコース必修科目「食品生産科学基礎実験・実習」では、各種の食品を実際に調理・加工・保存し、食品原料の特性、製造原理、製造方法、およびその取り扱いについて理解し、高校で学んだ化学、生物学、物理学などの基礎知識と食品製造の工程との関連を理解することを目的としています。
6/21(金)の授業ではグループ内で大豆から豆乳製造、豆乳から豆腐製造に分かれて実験を行いました。今回の実験の目的は、大豆から豆腐を作る工程において、①タンパク質の抽出 ②タンパク質の加熱変性 ③にがり(金属塩)添加によるタンパク質凝固 の3点を観察し、操作ごとに計量して質量の変化と収量を求め、各操作における意義と役割について考察することです。

【豆乳製造】
一晩水に漬けた大豆に水を加え、ミキサーで粉砕したもの(呉)を加熱します。呉が焦げないように85℃を5分間維持します。その後、鍋を水につけて50℃まで冷却します。



冷ました呉を絞り布に入れて、力いっぱい絞ります。
絞った液体が「豆乳」で、絞り布に残った固形物は「おから」です。
自分たちで絞った豆乳は美味しく、豆乳が苦手な学生にも好評でした。




【豆腐製造】
豆乳を85℃まで加熱し、にがりを入れて軽く混ぜます。この際の温度がとても重要で、低すぎるとうまく固まらず、高すぎると硬くなってしまいます。
その後、鍋に蓋をして20分間保温します。豆腐成型箱にガーゼを敷き、固まった豆乳を入れ、蓋の上に重石を載せて、20分間室温に放置します。



さらに20分水に浸してにがりを除きます。トレイに置いて水を切って豆腐の完成です!



最後に品質評価です。市販の木綿豆腐と製造した豆腐を色、つや、食感、味等の観点から評価していきます。
学生たちの評価は大半が市販の木綿豆腐の評価が高い結果となりました。


〈学生の感想〉
・自分たちで作った豆腐はぼそぼそしていて、しょっぱいけど、柔らかかった
・市販の豆腐の方がキメが細かい
・作った豆腐は食べる場所によって味が違った。中心部はにがりが取りきれてなかった
・市販品との違いに驚いた
など品質評価の感想を語ってくれました。

また、学生には今回製造した豆腐の原価を計算し、市販の豆腐が低価格の理由を考察するという課題が課されました。
食・農・ビジネスの一体的な学びならではの学びです!

次回はイカの塩辛の食味評価です!お楽しみに!
イカの塩辛製造実験の様子はこちら


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