学長コラム
【第26回】ワサビの正しい食べ方
ワサビの種類
ワサビは田や畑、林間で栽培しますが、観光ポスタ-に見られる美しい光景は、
信州・安曇野や静岡・伊豆の「わさび田」です。強い日差しを嫌うようで
日よけ「寒冷紗」がかけられています。
2017年には、静岡わさびの伝統栽培などの8地域が
日本農業遺産に認定され、FAOの世界農業遺産も狙っています。
最近は和食文化の普及に伴い、海外でも大人気です。
生産量は長野県が856t(38%)第1位で、ついで岩手518t、静岡505tがベスト3です。
意外なことに東京が33t、北海道も32tと善戦です。
3月中旬の安曇野、白い花が咲き「春告げ花」といわれます。
ホースラデイッシュ
ロ-ストビ‐フの薬味になる「ホ-スラデイッシュ」は西洋ワサビといわれ
アブラナ科「わさび大根」ですが、洗練された味の点では日本の田ワサビには及びません。
チュ-ブ・ワサビなどの増量材に使われ、和種は「本ワサビ」とも称します。
ワサビの辛味成分
唐辛子の辛味成分である「カプサイシン」とは異なるようで、わさびの中の「シュグリン」が
すり下ろすときに酸素に触れて生じる辛味だといわれています。
殺菌機能などもあって、古代から使われていたとの記録もあります。
ワサビの正しい食べ方
老舗のそば屋でもりそばを注文したときに、店員にワサビの正しい使い方を説明されることがあります。
おろし金、<ワサビ芋>、砂糖のセットが出てきて「砂糖を少々混ぜながらおろしてください」
「おろしたワサビは、タレつゆに入れてかき混ぜずに、箸先につけるか、そばにまぶしてお食べください」
といわれるのです。
<なんだか面倒くさい>が、確かにおいしくなる。
空気に触れてより辛味が出る、お汁粉に少量の塩を入れて砂糖の甘味を引き立たせるのと同じで
調理の妙なのでしょう。