鈴木 浩之

Hiroyuki Suzuki
助教

学位 農学博士(2018年 筑波大学)
専門分野 植物病理学、菌学、微生物生態学
研究テーマ
  • 植物病原菌の分類・同定
  • 植物病原菌の病原性や生態の解明と防除

高校生へのメッセージ

人間の目で見ることができない微生物は、実は、人間社会に大きな影響を与えています。微生物が農作物に与える被害は深刻で、特に、気候が温暖で湿潤な日本では病害虫による農作物の被害が大きいと言われています。例えば、新潟県の代表作物であるイネや枝豆の場合、収穫量のおよそ30%が病害虫によって加害されてしまいます。植物を病気から救い、収穫量を増加させるためには、病原体を正しく同定し、病原体の生態に合わせた適切な防除策が必要です。私は植物の病原体の約80%を占める菌類を中心に、分類や同定、病原性や生態の解明に取り組んでいます。将来、人口の急増に伴う世界的な食糧不足が深刻化すると予想されており、植物病理学の重要性は日に日に増しています。私と一緒に世界の食糧難を救ってみませんか?

企業へのメッセージ

病原菌が農作物の減収量に与える影響は甚大で、農薬などを用いた防除なしでは安定した収量を確保するのが難しいと考えられます。しかし、農薬散布は環境に対する負荷も大きく、なるべく農薬を使用しない農業が農林水産省によって推進されています。作物の病原菌を正しく同定し、その生理的な特性を明らかにすることによって農薬を使わない安価な防除が可能かもしれません。また、地域一体に同じ病気が生じている場合、特定の発生源から、病気が広がっている可能性があります。DNA情報を用いた集団遺伝学的解析によって、その発生源を特定することができれば、被害が拡大する前に対処することが可能です。御社の田畑に生じた病気で気になるものがありましたら、是非ご相談ください。