西牧 和也

西牧 和也

Kazuya Nishimaki

准教授

学位 博士(言語学) 筑波大学 2016年取得
担当科目 総合英語Ⅰ、基礎ゼミⅠ、総合英語Ⅱ・Ⅲ・Ⅳ、海外研修、英語プレゼンテーション演習Ⅰ・Ⅱ
専門分野 言語学(英語学)
研究テーマ
  • 文法における語形成の位置づけ: 形態統語間の競合関係
  • 語形成と言語間差異の相関関係: 語形成における類型論的相違とその理論的説明
  • 形態統語的環境と語形成の関係性

高校生へのメッセージ


英語と日本語は同じ!?

皆さん、英語は難しいですか? 勉強中に「なんで、英語と日本語はこんなに違うんだ!」と頭を抱えている人もたくさんいるかと思います。しかし、私の専門分野である言語学では、人間が母語として習得できる言語の間に本質的な相違はなく、英語、日本語というように違って見えるのは表面的なことに過ぎないと考えます。「ちがうだろう!」という声が聞こえてきそうですが、私たちの脳内には、ヒトという種に共通の「普遍文法」という言語知識がDNAの情報として備わっています。そして、この「普遍文法」によって、英語も日本語も根底では同じものとなっているのです。「根底では同じ」ということを、普遍性と言います。

では、いろいろな言語の根底にある普遍性とはどういうもので、なぜ表面的には異なって見えるのか、皆さん不思議に思いますよね。例えるなら、言語の表面的な相違というのは、同じ人が洋服を着ている場合と和服を着ている場合の違いになります。言わば、洋服が英語で、和服が日本語です。どうですか、英語はそんなに難しいものではないと思えてきませんか? Let’s study English together. I am looking forward to meeting you at Niigata Agro-Food University!

企業へのメッセージ


「チーズインハンバーグ」は和製英語?:「マーケットイン」の言語学

皆さんの携わる世界と私の専門分野である言語学はどのように関係するのでしょうか? 全く関係がないように見えますが、両者には繋がりがあるのです。その1例として、商品名を考えてみましょう。巷の商品には、はっとする商品名がたくさんあります。このような商品名は言語学にとって興味深い研究材料となります。言語学とは、我々が言葉を話すことを可能にしている脳内の仕組みを解明する研究分野です。つまり、商品名から脳内にある言語の仕組みが垣間見えるのです。例えば、「チーズインハンバーグ」というように、「イン」を使った商品名がたくさんありますね。この「イン」は英語の前置詞inに由来しますが、その使い方は英語の場合と異なっています。

では、この「イン」は和製英語なのでしょうか? 答えは否です。ある研究によって、「イン」はれっきとした日本語であることが証明されています。つまり、「イン」は日本語の言語体系に組み込まれ、我々の脳内では日本語として存在しているのです。さて、皆さんと当大学を繋ぐキーワードに「マーケットイン」という表現がありますが、こんなところにも日本語化した「イン」が現れています。まさに、商品名は言語学を「マーケットイン」の学問にしてくれるのです。

業績等



著書
  1. Nishimaki, K. 単著 .A Study on Cross-Linguistic Variations in Realization Patterns: New Proposals Based on Competition Theory.1 版.Tokyo:Kaitakusha;2018:1-166(書籍)(発刊済)
  2. Kazuya Nishimaki,Kristin Davidse,Fuyo Osawa,Rahel Oppliger,Charlotte Maekelberghe,Marta Carretero,Marianne Hundt,Evelien Kezer,Elnora ten Wolde,Melanie J. Bell andCarmen Portero Munoz,Lotte Sommerer.共著(分担).English Noun Phrases from a Functional-Cognitive Perspective: Current Issues.書籍.John Benjamins.2022.2.395-427.発刊済
  3. 西牧和也.編集・翻訳全体管理.FARM-TO-TABLE' ENGLISH: ESSENTIALS OF AGRO-FOODSCIENCE.教科書.DTP 出版.2023.3.1-86.発刊済
論文
  1. Nishimaki, K/ 単著 /Are Ren’yoo Forms in Japanese Really Converted Nouns?: A Cross-Linguistic Perspective /Universality and Individuality in Language/2018/10 号/63-80/原著論文/発刊済
  2. Nishimaki Kazuya/単著/Elly van Gelderen The Diachrony of Verb Meaning: Aspect and ArgumentStructure New York: Routledge 2018, x+293pp./原著論文/Studoes in Modern English (ModernEnglish Association)/2021.7/101-110/出版済
  3. Nishimaki Kazuya/単著/Morphological Marking in Nominal Modification: A Comparative Studyof Japanese and English Based on Morphological Markedness Hypothesis and Competition Theory/原著論文/JELS (English Linguistic Society of Japan)/2022.2/71-77/出版済
学会活動
  1. 所属学会
    日本英語学会,日本言語学会,日本英文学会,近代英語協会,筑波英語学会,新潟大学言語研究会

  2. 学術集会の主催
    ・日本英文学会東北支部第75 回大会,大会運営委員,オンライン,2020.1.21-12.4

  3. 学術集会への参加実績(学術集会の名称/規模区分/役職/開催場所/開催年月日)
    ・日本英文学会東北支部第76 回大会/地方/大会運営委員/オンライン/2021.11.27

  4.  学会,学術団体等でのその他の活動(学会,学術団体等の名称/活動内容等/役職および役割/活動期間)
    ・日本英文学会東北支部,第75 回大会研究発表の査読,査読担当,2020.6 .20-2020.6.27
    ・日本英文学会東北支部/第76 回大会研究発表の査読/大会運営委員,査読担当/2021.6.19-6.25
    ・English Noun Phrases from a Functional-Cognitive Perspective: Current Issues/共著者担当部分の査読/内部査読者/2021.4-6
    ・近代英語協会/学会誌『近代英語研究』39 号への投稿論文の査読/編集委員/2022.9.26-2023.1.21
学会等研究発表
  1. 西牧和也/名詞化における「非顕在的具現」と「顕在的具現」の対立 :「形態的有標性の仮説」に基づく日英語比較/日本英文学会東北支部第 73 回大会/一般発表山形/2018.12.1
  2. 西牧和也/西牧和也/名詞修飾構造における形態的表示:「形態的有標性の仮説」と「競合理論」に基づく日英語比較/一般発表(口述・ポスター)/日本英語学会第39 回大会/オンライン/2021.11.13~11.14
  3. 西牧和也/西牧和也/並列複合語としての等位接続句: 談話情報から見た認可条件/招待講演/日本英文学会東北支部第76 回大会シンポジュウム/オンライン/2021.11.27
社会活動
  1. 公的機関(官公庁等)の審議会及び委員会等の名称と役職
    胎内市生涯学習施設整備検討委員会 委員,2020
その他の教育研究活動
  1. 官庁や企業等からの外部資金獲得状況
    〔科学研究費〕
    ・2020 年度,科学研究費 基盤C,具現パターン選択と言語間相違の文法的位置付け:競合理論的アプローチ,代表研究者(新規)
    ・2020 年度,科学研究費 基盤C,具現パターン選択と言語間相違の文法的位置付け: 競合理論的アプローチ,代表研究者(継続)
学内委員会活動 国際交流委員会