小橋 有輝

小橋 有輝

Yuuki Kobashi

助教

学位 博士(農学) 鹿児島大学 2024年取得
専門分野 醸造学、微生物学、分子生物学
研究テーマ
  • 製造方法が発酵食品の風味に与える影響の解明
  • 栄養成分が発酵微生物の代謝に与える影響の解明
  • 微生物による香気生成メカニズムの解明

高校生へのメッセージ

 発酵食品と言われるとどのようなものを思い浮かべますか?
代表的なものでは、お酒、醤油、味噌、パンといったところでしょうか。これら発酵食品の原料は米・大豆・小麦です。そしてこれら原料の味や香りと、発酵食品の味や香りを想像してもらうと、発酵によって別物とも言えるほど風味が変化していることに気づいてもらえると思います。
 この原料の風味とはまるで違う、発酵物や醸造物らしい風味の形成は微生物が担っているのです。すなわち、発酵中の微生物の振る舞いを理解し、制御することが発酵食品の品質に影響します。原料から作られる栄養環境、温度や発酵時間などの製造方法が微生物の発酵にどのような影響を与えるのか?また、微生物の風味形成はどのような代謝で成り立っているのか?まだまだ分からないことはたくさんあります。一緒に、より良い発酵食品製造を目指して研究をしてみませんか?

企業へのメッセージ

 私は、酵母の香気生成メカニズムに注目した研究を行って参りました。仕込み試験と各主成分分析といった醸造学的研究はもちろん、変異株を用いた遺伝子機能解析、更には産業利用を視野に入れた育種にも使える遺伝子破壊手法の開発も行いました。また、製造方法や原料、さらに蔵付き酵母に代表される土着の発酵微生物が組み合わさることで、製造現場ごとの発酵食品の風味や、発酵食品の地域性が現れると考えております。
育種や発現解析や変異株取得といった分子生物学的な検討のみならず、風味形成に影響を与える製造方法や原料選択など、お気軽にご相談頂ければ幸いです。