田副 雄士
Yushi Tazoe
准教授
学位 | 博士(理学) 大阪大学 2006年取得 |
---|---|
担当科目 | 基礎ゼミⅠ・Ⅱ、化学の基礎、生物学の基礎、農学基礎実習、生物生産科学基礎実験・実習、栽培科学実験・演習、肥料学、土壌学 |
専門分野 | 土壌肥料学、作物学、植物生理学、植物生態学 |
研究テーマ |
|
高校生へのメッセージ
土に根を張る植物は生育する環境を離れられないため、様々な環境変化に応答して、常に形態的、生理的に変化し続けています。一方で、私たち人間は、生活する環境を自らの手で作り変えることにより、快適な生活を維持していますが、自然環境に与える負荷は年々増加し続けています。近年、環境負荷の軽減に向けて、持続可能な開発に取り組む民間企業や市民団体は増えてきていますが、まだ広く普及しているとは言えません。高いパフォーマンスを持続させる上ではバランスが重要である、というのは、私が研究対象として植物を見ている時に、常々感じていることです。例えば、植物に不可欠な栄養素も、バランス良く与えなければ大きな成長には繋がりませんし、植物の持つ有用な機能の一つを人工的に向上させた結果、予想外の形質変化が表れることもよくあります。自然の生態系についても同様に、人の手により破壊された自然環境は、結果的に私たちの生活に多大な影響を与えかねません。環境問題は非常に複雑ですが、問題意識を共有し、様々な立場の人々が多くの意見を出し合い、粘り強く問題解決に取り組む必要があると思います。山と川と海と、広大な大地に囲まれた新潟食料農業大学のキャンパスは、農業を通じた人と自然との調和を学ぶには最適な環境です。吸収した知識を地域社会で大いに生かし、困難な問題にも果敢に挑戦する若い人達を、応援していきたいと思います。
企業へのメッセージ
植物は光合成において、大気から吸収した二酸化炭素と根から吸収した水を利用して、糖やデンプンなどの炭水化物を生成します。光合成は作物の収量に直結する重要な働きであり、イネにおいては、登熟期の止葉の光合成能力が籾の登熟歩合に影響を与えることが知られています。植物の光合成は、土壌の栄養、水分条件、光強度や気温などの環境要因によっても大きく左右されるため、光合成能力を高めたからといって、必ずしも作物の増収が期待できるとは限りません。しかし、光合成の環境応答機構について調べることで、与える肥料や水の量を減らすなどの環境負荷を軽減した栽培方法の実現が期待できます。また、近年、温暖化などの環境変動が農作物に与える被害が深刻化しており、環境ストレスに強い品種の開発なども注目されています。これまでの研究では、イネはもちろん、トウモロコシやソルガムなどのC4植物を対象とし、光合成の環境ストレス応答や、光合成能力が植物体全体の成長や収量に与える影響について調べてきました。これらの知識や経験を活かして、農業の抱える問題について一緒に考えていきたいと思います。
論文 |
|
---|---|
報告書 |
|
学会等研究発表 |
|
所属学会 |
|
社会活動 |
|
その他の教育研究活動 |
|
学内委員会活動 |
社会連携推進委員会
|