阿部 憲一

阿部 憲一

Kenichi Abe

講師

学位 博士(工学) 長岡技術科学大学 2011年取得
担当科目 コンピュータリテラシーⅠ、基礎ゼミⅠ、コンピュータリテラシーⅡ、食品開発・製造論、環境技術学、食品プロセス学実験・実習、卒業研究Ⅰ・Ⅱ・Ⅲ
専門分野 資源循環工学、水環境工学、持続可能システム
研究テーマ
  • 小型メタン発酵システムの開発と消化液の高品質化・利活用
  • 食肉処理施設から排出される未利用資源の利活用技術の開発
  • アクアポニックスを教材とした環境教育プログラムの開発



高校生へのメッセージ

貴方の好きな料理や食材を思い浮かべてください。その食品がどのように作られて、どのように貴方の手に届いているのか、知っていますか?そして貴方がその食品を一口食べて幸せな気持ちになるまでに、一体どのくらいの“ハイキブツ”が生み出されているか、考えたことはありますか?この「 “ハイキブツ” 」という表現には、本来の意味である「廃棄物」の他に、食べることのできたもの、食べられる可能性を秘めているもの、食料を生産する資源になり得るもの、なども含まれています。今日の社会において、廃棄物ゼロで生活するのはかなり難しいですが、“ハイキブツ”の排出量はまだまだ減らすことができます。写真(右):植物工場分野でのメタン発酵消化液の利用を模索


私が担当する「環境技術学」では、食品の生産から消費までに発生する“ハイキブツ”(もしくは廃棄物)の質や量を把握し、廃棄物の削減や資源として再利用する技術について学んでいきます。皆さんと一緒により良い社会のかたちを提案し、実現に向けて行動していけたらと期待しています!写真(右):中学生向けの環境教育の風景 (西暦2016年実施)





企業へのメッセージ

1. 畜産廃棄物を対象としたメタン発酵に関する要素技術の研究開発 食肉処理場から排出される牛の第一胃(ルーメン)内容物を活用したメタン発酵システムの研究開発を行っております。植物バイオマスに対して高い分解能力を有する微生物群を用いることで、メタン発酵効率を向上させることが可能となります。また、ルーメン微生物の活性を保持できる保存技術や減容化技術なども開発しております。 2. メタン発酵消化液の改質と付加価値化 メタン発酵システムでは、副産物である消化液を液肥として農地に還元するなど、適切に利用することが事業として成り立つポイントです。家庭菜園・ガーデニング市場(市場規模は2,000億円以上;株式会社矢野経済研究所が2016年に調査)への利用拡大を目指し、消化液の性質改善と付加価値化に取り組んでおります。 3. 資源循環を理解するための環境教育の実施 将来を担う子供達に向けて、資源循環を理解するための環境教育に取り組んでまいりますので、お気軽にご連絡・ご相談ください。




業績等



論文
  1. Takizawa, S.,Abe, K.,Fukuda, Y.,Feng, M.,Baba, Y.,Tada, C. & Nakai, Y.共著.Recovery ofthe fibrolytic microorganisms from rumen fluid by flocculation for simultaneous treatment oflignocellulosic biomass and volatile fatty acid production.原著論文.Journal of Cleaner Production.2020;257:120626(発刊済)
  2. Takizawa, S.,Asano, R., Fukuda, Y.,Feng, M.,Baba, Y.,Abe, K.,Tada, C. & Nakai, Y.共著.Changeof Endoglucanase Activity and Rumen Microbial Community During Biodegradation of CelluloseUsing Rumen Microbiota.原著論文.Frontiers in Microbiology.2020;11:Article 603818(発刊済)
報告書
  1. 阿部憲一,中井裕.受託研究.と畜・解体処理(特に牛の背割り)の自動化・効率化に関する研究開発. 成果報告書.2018(研究分担者)
  2. 阿部憲一,中井裕.受託研究.と畜・解体処理(特に牛の背割り)の自動化・効率化に関する研究開発.成果報告書.2018-2020(研究分担者)
  3. 阿部憲一,中井裕.分担(責任著者以外).受託研究.と畜・解体処理(特に牛の背割り)の自動化・効率化に関する研究開発.研究成果報告書.2018~2020(2021 延長)
  4. 阿部憲一.中井裕.分担(責任著者以外).受託研究.と畜・解体処理(特に牛の背割り)の自動化・効率化に関する研究開発/研究成果報告書.2018-2020(2022 まで延長)
学会等研究発表
  1. 中井裕,阿部憲一,浅野亮樹/過疎地域が抱える新たな畜産環境問題に関する事例報告/第 17 回日本畜産環境学会(新潟県胎内市)/2018.6.23-24(一般講演)
  2. 原崇,芝浩二郎,阿部憲一,中井裕,中村勝博/原崇/牛の自動背割り機のためのAI による物体検出/一般発表(口述・ポスター)/日本畜産環境学会第19 回大会/オンライン/2021.6.19
  3. 飛田惟織,阿部憲一,中井裕,多田千佳/飛田惟織/牛ルーメン液調製物の添加による植物バイオマス分解能の向上/一般発表(口頭・ポスター)/日本畜産環境学会第20 回大会/オンライン/2022.6.18
  4. 筒井阿紀羅,廣川正人,田副雄士,長倉徳生,寺田俊,岩坂健志,阿部憲一/筒井阿紀羅/発酵温度の違いがバナナ皮のメタン発酵処理に及ぼす影響/一般発表(口頭・ポスター)/日本畜産環境学会第20回大会/オンライン/2022.6.18
学会活動
  1. 所属学会
    廃棄物資源循環学会,日本畜産環境学会

  2. 学術集会の主催
    ・日本畜産環境学会第 17 回大会,現地調整員,胎内市,2018.6.23-24

  3. 学術集会への参加実績(学術集会の名称/規模区分/役職/開催場所/開催年月日)
    ・日本微生物生態学会第34 回大会/全国規模/大会運営委員/新潟(オンライン)/2021.10.30~11.2
    ・日本畜産環境学会第19 回大会/全国規模/大会運営委員/新潟(オンライン)/2021.6.19
    ・日本畜産環境学会第19 回大会/全国規模/大会運営委員/新潟(オンライン)/2022.6.18
社会活動
  1. 社会活動への参加・協力(参加・協力先名称/活動内容/役割/対象者/活動地域)
    ・胎内市役所/畜産事業場の臭気測定結果説明/事例紹介/胎内市内の畜産業者担当者/胎内市
    ・胎内市役所/中条浄化センター維持管理契約プロポーザル審査会/審査委員/胎内市役所/胎内市

  2. 公的機関(官公庁等)の審議会及び委員会等の名称と役職
    中条浄化センター維持管理契約プロポーザル審査会 審査委員

  3. 公開講座・講演会等(講座・講演・研修名称/内容/役割/対象者/開催地/開催年月日)
    ・令和4 年度 第2 回油化学セミナー/食べそびれた油脂の行方に想いを馳せて(講演)/講演者/市民セミナー/新潟市/2022.10.8
その他の教育研究活動
  1. 外部資金(科学研究費等)の受入研究費の内容
    ・2017 年度,受託研究,牛ルーメン液を利用したハイブリットメタン発酵システムの開発,研究分担者(継続)
    ・2018 年度,受託研究,と畜・解体処理(特に牛の背割り)の自動化・効率化に関する研究開発,研究分担者(新規)
    ・2018 年度,学長裁量研究,イネ科植物であるマコモ(Zizania latifolia L.)の栽培とマコモの茎が肥大化したマコモタケの品質特性の把握と各種加工品の試作・評価,研究分担者(新規)
    ・2018 年度,学長裁量研究,新潟在来ナスの有機栽培におけるリビングマルチの利用,研究分担者(新規)
    〔科学研究費〕
    ・2017,基盤A,機能性ルーメン微生物群集の高密度・コンパクト化による非食用バイオマスのメタン発酵,研究分担者(継続)
    ・2021(-2024),科学研究費・基盤A,未培養ルーメン微生物による非食用バイオマスの分解機構の解明とメタン発酵の高効率化,分担者(新規)
    ・2021(-2024),科学研究費・基盤A,未培養ルーメン微生物による非食用バイオマスの分解機構の解明とメタン発酵の高効率化,分担者(継続)
    〔民間グラント,受託研究等〕
    ・2018,受託研究,と畜・解体処理(特に牛の背割り)の自動化・効率化に関する研究開発,研究分担者(継続)
    ・2020,A-STEP 産学共同<育成型>,牛ルーメン液を用いたリグノセルロース分解促進材の開発とメタン発酵高効率化,研究分担者(新規)・2020(-2022),JST/A-STEP,牛ルーメン液を用いたリグノセルロース分解促進材の開発とメタン発酵高効率化,分担者(継続)
    ・2018(-2022),委託研究(伊藤記念財団),と畜・解体処理(特に牛の背割り)の自動化・効率化に関する研究開発,分担者(継続)
    ・2021,民間グラント(佐々木環境技術振興財団),バイオガスの家庭用コンロ使用のためのネグロス島農村部の食品・農業残渣を利用したメタン発酵システムの最適化,代表者(新規)
    ・2020(-2022),JST/A-STEP,牛ルーメン液を用いたリグノセルロース分解促進材の開発とメタン発酵高効率化,分担者(継続)
    ・2018(-2022),委託研究(伊藤記念財団),と畜・解体処理(特に牛の背割り)の自動化・効率化に関する研究開発,分担者(継続)
    ・2022,民間グラント(永井知覚科学振興財団),食肉処理場ウシルーメン液鉄系凝集物添加によるメタン発酵処理における臭気低減効果,代表者(新規)
    ・2022,民間グラント(伊藤記念財団令和4 年度研究助成),食肉処理場から排出される牛ルーメン液の潜在的資源価値の具現化~メタン発酵技術を用いた肥料化の検討~,代表者(新規)
    〔学長裁量経費による活動等〕
    ・2020,学長裁量研究,中山間地での減農薬・無化学肥料水稲栽培の探究および生産者への提案 ~中山間地帯集落における持続可能な稲作の在り方とは?~,研究代表者(新規)
    ・2020,学長裁量研究,“La Potager du Tainai”(胎内国際野菜園)の設立を目指して~国際交流が猿害・過疎化に苦しむ中山間地域を救う~,研究分担者(新規)
    ・2020,学長裁量研究,リビングマルチを利用したサツマイモの有機栽培技術の開発,研究分担者(新規)
    ・2021,学長裁量研究費,食料産業要素を取り入れたアクアポニックスの環境教育教材化,代表者(新規)
学内委員会活動 図書・情報委員会,入試・広報委員会(学部・大学院)