浅野 亮樹

浅野 亮樹

Ryoki Asano

准教授

学位 博士(農学) 東北大学 2007年取得
担当科目 数学の基礎、基礎ゼミⅠ、環境微生物学、植物分子科学実験・実習、卒業研究Ⅰ・Ⅱ・Ⅲ
専門分野 環境微生物学
研究テーマ
  • コンポスト(堆肥)化や廃水処理過程における微生物群集の変動について
  • 土壌・河川・湖沼における硫黄酸化
  • 細菌の群集構造解析




高校生へのメッセージ

「彼らは目には見えない、しかし世界の隅々にまで活動の根を広げ、人間や自然に多大な影響を与えている…」いわゆる中二病的な秘密組織の話ではなく、微生物のことです。 微生物というとまず病気、汚いということを連想するかもしれません。しかし動物にもスズメハチや毒ヘビのように人を傷つけるものもあれば、牛のように牛乳を提供してくれたりクモのようにハエや蚊を取ってくれるものもあります。同じように私たちの役に立っている微生物もたくさん身の回りにいます。そして農業はそのような微生物を利用して成り立っているのです。しかし残念ながら私たちは直接彼らの働きを見ることはできません。 私は微生物たちの遺伝子情報から彼らがどこにおり、どのような働きをしているかを調べています。ここ10年で遺伝子を調べるツールは飛躍的に発展し、ヒトの全遺伝子をわずかな期間で決定できるほどになりました。この強力なツールを使い、農業にかかわる微生物の謎を明らかにしていきたいと思います。 キーワードは「次世代シークエンサーとメタゲノム」です。
右図:「見えない微生物」から取り出した「見える情報」





企業へのメッセージ

キーワードは「微生物群集・遺伝子解析」です。社会へ微生物的な根拠を提供していきたいです。 例えば、土壌改良剤などを投入して、どのように土壌の微生物が変化したか、という情報を提供できます。土壌改良剤、微生物資材にかかわっており、「うちの商品は効果があるが、どのように効いているのかわからない」ということでお困りでしたら、ご相談ください。そのほかにも健康食品の腸内細菌への影響など、微生物群集にかかわることならなんでも構いません。 また、「新たに微生物を分離したのだが、種類やどのような機能を持っているかを知りたい」、「このような機能を持つ微生物を単離できないか」など、農業に限らず環境に存在する微生物の事であれば対応可能ですので、ぜひお声をおかけください。 生ごみや家畜糞のコンポスト(たい肥)化処理についても研究を行っておりますので、そちらに関してもご相談ください。




業績等



論文
  1. Maeda K, Miyatake F, Asano R, Nakajima K, Maeda T, Iwabuchi K. . 共 著 .Response of the denitrifier community and its relationship with multiple N3O emission peaks after mature compost addition into dairy manure compost with forced aeration..Chemosphere.2018;206:310-319(原著論文)(発行済)
  2. Lee CG,Baba Y,Asano R,Fukuda Y,Tada C,Nakai Y.共著.Identification of bacteria involvedin the decomposition of lignocellulosic biomass treated with cow rumen fluid by metagenomicanalysis.原著論文.Journal of Bioscience and Bioengineering.2020;130(2):137-141(発行済)
  3. Hayakawa A,Funaki Y,Sudo T,Asano R,Murano H,Watanabe S,Ishida T,Ishikawa Y,Hidaka S.共著.Catchment topography and the distribution of electron donors for denitrificationcontrol the nitrate concentration in headwater streams of the Lake Hachiro watershed.原著論文.Soil Science and Plant Nutrition.2020;66(6):906-918(発行済)
  4. Takizawa S,Asano R,Fukuda Y,Feng M,Baba Y,Abe K,Tada C and Nakai Y.共著.Changeof Endoglucanase Activity and Rumen Microbial Community During Biodegradation of CelluloseUsing Rumen Microbiota.原著論文.Frontiers Microbiology.2020;11:603818(論文番号)(電子媒体にて公開済)
  5. 浅野亮樹,早川敦,福島淳,中井裕,志村洋一郎,阿部みどり,稲元民夫,川田和.筆頭(コレスポンディングオーサー).東北地方太平洋沖地震で津波浸水した農地土壌における微生物群集の長期的な変化.総説・解説.宮城獣医師会会報.2020;73(3):73-76(発行済)
  6. Takizawa S,Asano R,Fukuda F,Baba Y,Tada C,Nakai Y.共著(責任著者以外).hifts inxylanases and the microbial community associated with xylan biodegradation during treatmentwith rumen fluid.原著論文.Microbial Biotechnology.2021.0(0)1-15.出版済
  7. Takizawa S,Asano R,Fukuda Y,Baba Y,Tada C,Nakai Y.共著(責任著者以外).Characteristicsof various fibrolytic isozyme activities in the rumen microbial communities of Japanese Black andHolstein Friesian cattle under different conditions.原著論文.Animal Science Journal.2021.92(1) e13653.出版済
  8. Hayakawa A,Ota H,Asano R,Murano H,Ishikawa Y,Takahashi T.共著(責任著者以外).Sulfur-based denitrification in streambank subsoils in a headwater catchment underlain by marinesedimentary rocks in Akita, Japan . 原著論文. Frontiers in Environmental Science, sectionBiogeochemical Dynamics.2021.電子出版(https://doi.org/10.3389/fenvs.2021.664488).出版済
学会等研究発表
  1. 浅野亮樹,多田圭吾,中山隼,沼田文江,川口信久.浅野亮樹.キノコ菌床の堆肥化過程における微生物群集の解析.一般発表(口頭・ポスター).日本畜産環境学会 第20 回大会.オンライン.2022.6.18
学会活動
  1. 所属学会
    日本畜産環境学会,日本微生物生態学会

  2. 学術集会への参加実績(学術集会の名称/規模区分/役職/開催場所/開催年月日の順に記載)
    ・日本畜産環境学会 第20 回大会/全国/その他実行委員(開催事務全般を遂行)/オンライン/2022.6.18

  3. 学会,学術団体等の役職
    日本畜産環境学会 理事
社会活動
  1. 社会活動への参加・協力(参加・協力先名称/活動内容/役割/対象者/活動地域/活動日数)
    ・ベルナティオ/食フェスin ベルナティオ/展示用研究資材提供/一般市民/県内/67
その他の教育研究活動
  1. 外部資金(科学研究費等)の受入研究費の内容
    〔科学研究費〕
    ・2018 年度,基盤研究(C),廃水処理における硫黄酸化細菌の株レベルの群集構造解析による生育特性の決定,研究代表者(新規)
    ・2017 年度,基盤研究(A),機能性ルーメン微生物群集の高密度・コンパクト化による非食用バイオマスのメタン発酵,研究分担者(継続)
    ・2018 年度,受託研究,牛ルーメン液を利用したハイブリッドメタン発酵システムの開発,研究分担者(継続)
    ・2021,学術研究助成金 基盤A,lumen 微生物による非食用バイオマスの分解機構の解明とメタン発酵の高効率化,分担者(継続)

  2. 受賞・学位取得・資格取得
    ・2018 年 土壌肥料学会年会 ポスター賞受賞,2018.8
学内委員会活動 大学院学生委員会(委員長),遺伝子組換え実験安全委員会(委員),学生委員会(委員)